第七回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ(11月4日17時更新)
第七回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ
11月10日17:00~19:00
講師
荻野 拓 (産総研, A01 計画)
「層状複合アニオン化合物の探索」
岡 研吾 (近畿大学, A01 公募)
「Pb/Biの特性を活かした新規酸フッ化物材料の探索」
清水 亮太 (東京工業大学, A01 公募)
「複合アニオン水素化物薄膜の合成と物性制御」
ご興味をお持ちいただけましたら、事務局代表補佐(a.nishinosono(a)cstf.kyushu-u.ac.jp (a)を@にしてください)宛にご連絡お願いいたします。
折り返し、ミーティングに関するアドレスをお知らせいたします。
講演者と概要
17:00〜17:40
荻野 拓(産総研,A01計画)
タイトル:層状複合アニオン化合物の探索とその特徴
概要:複合アニオン化合物の特徴の一つに、性質が大きく異なるアニオンを複合化させることで、カチオン複合では得られない結晶構造が形成されることが挙げられ、その典型例が異なるアニオン-カチオン対の層が積層した層状化合物である。
本発表では、単アニオン化合物における従来の知見を出発点とし、複合アニオン化合物における類似性や相違点、それらを利用した新物質探索についての我々の取り組みや、関連した研究結果について紹介する。
荻野拓, “新規複合アニオン化合物の創製”, 日本結晶学会誌 60(5,6) (2018) 246-253
Y. Iwasa, H. Ogino et al.,Synthesis, optical properties, and band structures of a series of layered mixed-anion compounds, J. Mater. Sci.: Mater. Electron. 30, 16827-16832 (2019)
17:40〜18:20
岡 研吾 (近畿大学, A01公募)
タイトル:Pb/Biの特性を活かした新規酸フッ化物材料の探索
概要:PbやBiなどの6s孤立電子対を持つ元素は、その立体障害効果によって、対称中心のない構造を安定化することができる。さらに対称中心のない構造に由来する強誘電-常誘電転移を起こすことも知られている。本研究では、6s孤立電子対に誘起される構造歪みを応用し、酸フッ化物におけるアニオンの秩序配列を実現することを試みた。
本発表では、新規合成された層状ペロブスカイト酸フッ化物Pb3Fe2O5F2におけるアニオンの秩序配列と強誘電-常誘電転移的な構造相転移に由来するスピン再配向について紹介する。
18:20〜19:00
清水 亮太 (東京工業大学, A01公募)
タイトル:複合アニオン水素化物薄膜の合成と物性制御
概要:水素は電気陰性度が中間的であることから、周囲の元素によって電荷状態・原子(イオン)半径が変化し、一括りに「金属水素化物」と記述しても、結晶構造や物性は大きく異なっている。そのような水素化物の物性・機能探索を、本研究では薄膜を用いて取り組んでいる。
本発表では、金属水素化物薄膜の合成と物性について概観し、酸素や窒素を利用したアニオンの複合化によるさらなる機能付与について紹介する。