第九回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ
第九回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ
12月22日 17:00~19:00
講師・講演タイトル:
松石 聡(東京工業大学, A03計画)
「光・電子機能性新規酸水素化物の探索」
長谷川 哲也(東京大学, A03計画)
「複合アニオン化合物薄膜のトポケミカル合成と物性制御」
竹入 史隆(分子科学研究所, A03公募)
「複合アニオンを利用したヒドリドイオン導電体の探索」
ご興味をお持ちいただけましたら、事務局代表補佐(a.nishinosono(a)cstf.kyushu-u.ac.jp (a)を@にしてください)宛にご連絡お願いいたします。
折り返し、ミーティングに関するアドレスをお知らせいたします。
講演者と概要(講演者敬称略)
17:00〜17:40
松石 聡(東京工業大学, A03計画)
光・電子機能性新規酸水素化物の探索
[概要] 酸素イオンO2−と水素アニオンH−の双方を含む、金属酸水素化物をはじめとする複合アニオン水素化物は、従来の酸化物・複合アニオン化合物の持つ機能性および化学的安定性に加え、H−のs軌道配位子としての結合性およびアニオンからカチオンまで変化できる多価性によって新奇な光・電子機能を示すことが期待される。本講演では、酸水素化物の電子構造と既報の光機能について紹介するとともに、ワイドギャップ絶縁体である酸水素化物の性質に注目して、新たな希土類イオン賦活蛍光体のホスト物質しての可能性について説明する。
17:40〜18:20
長谷川 哲也(東京大学, A03計画)
複合アニオン化合物薄膜のトポケミカル合成と物性制御
[概要] 複合アニオン薄膜では、基板からのエピタキシャル力を利用することで、単結晶試料が得られるほか、準安定相の合成が見込まれる。またトポケミカル合成の場合、バルク試料に比べ表面積/体積比が大きいことから反応性が高く、アニオンの組成範囲を拡大できることも利点の一つである。本講演ではまず、複合アニオン薄膜のトポケミカル合成に焦点を絞り、合成手法について概観する。さらに、電気伝導性を支配する要因について結晶構造や電子状態の見地から考察し、一例として誘電体に関する最近の研究を紹介する。
18:20〜19:00
竹入 史隆 (分子科学研究所, A03公募)
複合アニオンを利用したヒドリドイオン導電体の探索
[概要] H–のイオン導電に関する研究が増え始めたのは2010年頃であり、当初その対象となる物質は金属水素化物に限られていたが、ここ5年ほどの間に複合アニオン化合物において次々と新規導電体が発見されている。本発表では、我々が注力してきた物質探索の成果について、特に層状ペロブスカイト型酸水素化物[1,2]を中心に説明する。最近はH–導電体を固体電解質として用いたセルの開発にも着手しており、その課題と展望についても紹介したい。
[1]F. Takeiri, et al. Inorg. Chem. 58, 4431-4436 (2019).
[2]H. Nawaz, et al. Chem. Commun. 56, 10373-10376 (2020).