第八回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ
第八回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ
12月1日 17:00~19:00 分析手法に関わる無機化合物研究の展開
講師・講演タイトル:
吉田 朋子(大阪市立大学,A02計画)
「可視光応答型アニオン光触媒の創製と放射光・電子分光融合分析」
木本 浩司(NIMS,A02計画)
「最近の透過電子顕微鏡で解析できること」
八島 正知,藤井 孝太郎,村上 泰斗(東工大,A02計画)
「複合アニオン化合物の構造解析と構造物性」
ご興味をお持ちいただけましたら、事務局代表補佐(a.nishinosono(a)cstf.kyushu-u.ac.jp (a)を@にしてください)宛にご連絡お願いいたします。
折り返し、ミーティングに関するアドレスをお知らせいたします。
講演者と概要
17:05~17:40
吉田 朋子(大阪市立大学,A02計画)
「可視光応答型アニオン光触媒の創製と放射光・電子分光融合分析」
概要:紫外光照射下で人工光合成(水や二酸化炭素の還元)を進行させる半導体光触媒を可視光応答化させるために、アニオン添加によるバンド構造の改良が試みられている。しかし、アニオン添加によって可視光領域に吸収帯が現れても、必ずしも反応が進行するわけではなく、また劣化についても問題がある。
本セミナーでは、アンモニア焼成法やイオン注入法によって窒素を添加した半導体光触媒に対してXAFS/TEM-EELSを融合した分析を行い、可視光応答化させるためには窒素の添加濃度や化学状態、光触媒中での空間分布をどのように最適化すればよいか検討した研究について発表する。また軟X線領域でのin-situ XAFS測定に向けた最近の取り組みについても紹介する。
17:45~18:20
木本 浩司 (NIMS,A02計画)
「最近の透過電子顕微鏡で解析できること」
概要: 透過電子顕微鏡の様々な手法を使って、これまでさまざまな複合アニオン関連の材料を評価してきた。本発表では、いくつかの計測例を紹介するとともに、現在の透過電子顕微鏡でどのようなことができるのかを説明したい。電子顕微鏡像の観察や、電子回折、あるいは元素分析に加え、化学結合状態でどういったことができるのか紹介し、残されたプロジェクト期間あるいは終了後においても共同研究するためのきっかけとしたい。
18:25~19:00
八島 正知,藤井 孝太郎,村上 泰斗(東工大,A02計画)
「複合アニオン化合物の構造解析と構造物性」
概要:結晶構造は固体材料の性質と密接な関係があるため,結晶構造を精密に調べることで機能を理解することができ,また,構造に基づいて新しい機能の材料を設計することもできる.我々はこれまで酸窒化物光触媒の電子密度解析による化学結合とバンドギャップの関係解明[J.Ceram. Soc. Jpn., 2017, 125(11),808-810]や,構造に基づく新しい酸窒化物光触媒の合成と電子密度解析による化学結合変化の解明[Dalton Trans., 2017,46(43), 14947-14956],陽イオン-陰イオンの両方が規則化した新規ルチル誘導体の発見[Chem. Commun.,2020, 56(69), 10042-10045]などの成果をあげてきた.また,最近では,本質的なアニオン欠損層を持つ六方ペロブスカイト関連化合物が高いプロトン伝導度を示すことを明らかにした[J.Am. Chem. Soc., 2020, 142(27),11653-11657].本発表では,これらの成果を中心に我々の最近の成果を紹介する.